3/19 アルバカーキ→デンバー
朝8時くらいに起床。快晴ですが昨夜に引き続きアルバカーキ寒い…寒すぎる…ブレイキングバッドの登場人物みんな薄着じゃなかったでしたっけ?湯船に入りたいなあと思うものの石鹸以外何もないバスルームは排水溝の栓がないので悲しみのシャワーを浴びます。
今日のデンバーからDeaf Touch Records総帥のヘッサムが合流して暫く一緒に行動することに。なので今までひと席潰してスーツケースとかを置いてたテトリス環境を根本から見直さなければなりません。そういえばツアー記であまり話してませんでしたが機材車のテトリスについて。私たちの今回の相棒であるクライスラーのパシフィカですが当初は人間3人、ギター、ベース、ギターアンプ、ベースアンプ、キック、スネア、ハット、スーツケース大3個、身の回りかばん大3個、レコード200枚、Tシャツ400枚、その他7インチやカセットやCDなど、お土産のかばん、ていうラインナップで席潰してまあなんとかギリ…みたいな感じだったのですが、Tシャツもレコードもいい塩梅にはけていってて(返す返すもマッカレンとオースティン①が無念すぎる…)、ここに人間1人、身の回りかばん大1個、新譜のカセット(ツアー当初に間に合わなかった)50個が加わってもまあいけそうな感じになってきました。寒い中車の掃除(とねぎらい)も兼ねて荷物をモーテルの駐車場に全部出して極寒の環境で在庫の棚卸しと積み直しをやりました。結論としてはやれば出来る。
昨日のうちに買っておいたベーグルとヨーグルト(モーテルに冷蔵庫すらなかったから天然の冷蔵庫化した車に置いておいた)を食べ、宿の近くに適当なコーヒー屋さんがなかったので(スターバックスは理由もなくなんとなく避けてます)アルバカーキから1時間のところにあるサンタフェのJava Joe'sというオシャレなところでコーヒー。サンタフェはアメリカ屈指の美しい街と言われてますが、パッと行った感じはアルバカーキと同じような石造りの家々が並ぶ街並み。これはディスではなくアルバカーキも良いよ、という意味です。
これまでテキサスでそれ自体は素晴らしい果てしない地平線系の平らな道に完璧に慣れてしまい本気で飽きてたので、デンバーまでの山が見える風景ってのは嬉しい変化でした。しかしこれもすぐに慣れて飽きるのかもしれない。デンバーは標高が割と高い街なのですが途中2000mくらいのところまで登ってたそうです。
デンバーに着いたのは6時前くらい。Illegal Pete'sというたぶんローカルチェーンのブリトー屋さんがあるのですが、驚くなかれ、ここは事前にツアーバンド用のフォームで申し込むと無料でご飯を頂けます。しかも出来れば感想とかSNSとかで言ってね、てくらいの圧なのでそこまでそれを使ってマネタイズしてやるぜ的な圧も感じない、凄まじいシステムだ…。会計の時までドキドキしてましたがマジで無料だったので(チップは払ったけど)、本当にビックリしました。肝心のお味はというと個人的に大ヒット。ヨークシャーテリアくらいのデカくてギッシリしたバルバッコアのブリトーでブラウンライス、豆、パクチー、チーズ、ハラペーニョ、タマネギ、レタス、辛めのサルサ、その他たくさんが渾然一体となってて最高でした。普通に会計してたとしてもこれで$10は安いと思います。
このタイミングでヘッサムと合流しました。ヘッサムは2日ほど寝てないぽくて瀕死になってましたが2週間ぶりの再会にテンションが4くらい上がって瀕死(小)になってました。新譜エクメーネのカセットも漸く到着、現物もイメージ通りの良い感じでさらに早々に欠品してしまったステッカーの代わり…にならないやつ、それからMITOHOSのダウンロードコードを作ってくれててさすがレーベルオーナー。サポートありがとうございます。
この日の会場はSeventh Circle Music Collectiveっていう、兼ねてからいろんな友達にデンバー行くならそこがいいよって言われてたインディの聖地的な場所。完全DIYで運営してるところで箱との直接のコンタクトは実は2019からずっと試みてたのですが届かず、今回別ルートから実現が叶いました。嬉しい…!お酒とかは置いておらずストレートエッジな感じで、若い人が多く、でもオープンな感じもある良い場所です。
アルバカーキほどではないとはいえ結構寒い上に昨日はあったヒーターとかもなく、物販は外に置く感じになってて少し不安…、ただ開場とともにたくさんの音楽ファンが来てくれてて開演前からぼちぼち物販も動いたりしてて良い予感もありました。
この日は全4組。序盤2組は演奏自体面白かったのですがこの日PA兼ホストのローラが実験的なPAさばきをしてて、常にフェーダーやEQを動かしてるから「あっ今急にコーラス超上げた!」とか「あっ今急にキックのロー超カットした!」とかにばかり耳が反応してしまい楽曲に集中出来なかった感じが否めません。
ルロウズは3組目。ローラに対して超シンプルでいいよ、歌にエフェクトはいらないよ、歌とキックスネアだけアンプリファイする感じでよいよ、あなたのサウンドメイクはすごく素敵だよ、と伝えたものの1曲目でショートディレイの超長いやつをかけられてしまい、ライブ中にマイク越しに音響の注文をするのってなんかお客さんに裏側を見せちゃう感じがして私は好きじゃないのでインスタパートで踊りながらPAブースに行ってエフェクトいらないよ!ドライにした方が嬉しいです、でも依然あなたのサウンドメイクはデンバーの山並みのように本当に素敵だ、と伝え演奏の続き。ダブリングみたいなのだけど残ったけどマシになったのでそのまま駆け抜けました。
結果は大勝ち!モッシュも自然発生、ヘッサム様の助けもあって物販もよりナチュラルにスムーズに売れて嬉しいところ。でウヒョーってなってたんですが、最後に出演したPlan Obsolesenceってバンドが鬼すぎて自分たちの事を完全に忘れました。演奏の精度とか技術とか云々よりもっともっと原初的で根源的な、とにかく音を鳴らしたい伝えたい(あるいは伝えたくない)っていう感情のみを動力とするパンク?で、ギタードラムハンドマイクのトリオなんですが、頻繁にパートをコンバートしたりする中で、ドラムをそれまでやってた女の子が前に来てハンドマイクで歌いたい気持ちが前に出過ぎてケーブルからマイクを引っこ抜いて歌い出して音出なくてビックリしてる様子に完璧に恋に落ちてしまいました。その後マイク繋ぎ直す事が出来なくなってて、天才すぎてもう夢中…!他の2人も大概だったのですが、とにかくその女の子が気になりすぎてしまって、終演後一緒に写真を撮ってもらいました。Discordのパーカー着てたけどDiscordの要素は1ミリも感じませんでした!最高!!
終演後はエクスペリメンタルPAのローラのお宅へ。いかにもお金持ちの家って感じでチャドスミス似のお父さんとたぶん二人暮らし、少し萎縮しながらも優しく撃沈しました。明日のソルトレイクはさらに寒いらしく、風邪禁止で頑張ります。