3/5 LA→ツーソン
この日は440マイルの強烈な移動+アリゾナ州で1時間タイムゾーンが変わるために朝7時起き。朝ごはんを作ってもらって(本当にありがとうございます)慌ただしく食べた後は車への荷物テトリス大会。当面は3人+ベースキャビアンプ+ギター+ベース+スーツケース大×3+身の回り品の入った大カバン×3+アナログ×6段ボール+Tシャツ400枚くらい+日本からのお土産+水4ダースをクライスラーのPacificaに入れるって感じでここまではまあ余裕なんですが、ここにギターアンプと人間1人+その人間の荷物が入るとまあ無理だろうな、という感じ。何にせよこの積み込みでツアーが改めて始まったなあ、という気持ちになりました。
アメリカの縦に通るInterstateは縦が奇数、横が偶数と聞いた事がありますが、今回はまずサンディエゴまで5、その後ひたすら8という動き方。Interstate8に乗り換えた後ナビからは「この先340マイル道なりです」と言われたんですが、気のせいか半笑いだったような気もしました。
サンディエゴまでは大体似た風景なんですが、そこから少しすると石だらけの山→地平線まくりの真っ直ぐ道→砂漠→アリゾナに入るとサボテン、と変化していきます。昼ごはんを食べる時間が微妙になかったので買ってきたポテチやキモいグミなどで誤魔化してとにかく東へ。
前回のツアーとの違いで言うとガソリンの価格が少し落ち着いてる事。全米でいちばん高いでお馴染みのカリフォルニアで去年は$6.5/ガロンとかの凶悪な金額だったんですがおよそ$1くらい全体に下がった印象。アリゾナ州に入ると税制も変わるからかさらにガクンと$1下がって、$3.5/ガロンくらいで入れられるようになってます。
アリゾナ州ってアメリカでいちばん暑い州って言われてるそうですが、この日は肌寒い感じ。私たちが入国する前まで全土が異常気象でぐちゃぐちゃだった話は前も書きましたが、アリゾナでも2日前まで雪が降ってたらしく、サボテンに雪が積もるシュールな写真を見せてもらいました。
タイムゾーンの変化もあり結局18:30頃、この日の会場Groundworksへ到着。ここはLoganというたぶん教職の人が地域のコミュニティの集会所を作りたい、みたいなモチベーションで私財を投じて作ったベニューというかニュアンスとしては公民館に近いところで(全然違って地下で広大な違法銃器を製造してるダミー物件とか税金対策とかだったら全員にすいません)、たぶん職業訓練とかで受付やってる若い子がいたり(全然違って人身売買の出荷待ちの子とかだったら全員にすいません)、当然酒もなし。
ローガンと再会を祝し、ロードインもサクッと済ませてからLos Betosという近くのメキシカンでブリトー。大体のブリトーは美味しいんですがボリュームの割に最初から最後まで割と味が単調でサルサかけて味変してね、てスタイルなんですが、ポヨ•アサダ(鶏の焼き肉)はランチソースとドレッシングの中間みたいな味付けをしてて、とても美味しかったです。余談ですがスペイン人にとって浅田真央はマオの焼き肉って聞こえるのかな…。
会場に戻りこの日の共演のPeanut Penpalsからスタート。全7曲くらいのうち前半の5曲くらいは聞いててあ〜下手くそかつ普通のサイケ歌物バンドだなあと思ってたんですが(まあ私レベルになるとそこに味わいを5つくらい見つけられるけど…)、最後2曲でパートをコンバートするねって言ってドラムとベースが交代した瞬間からレッチリみたいな超タイトなアッパーミクスチャーに変化して驚愕。計算なのか天然なのかも全くわからない…、持ち時間の8割をフリに使うのって物凄く勇気が要ると思うんですが、改めて世界は広いしこの発想超面白かったので何らかの形で参考にしたく思ってます。
ルロウズは借りたJC30で演奏。私はJCをうまく使いこなせなくて基本苦手なんですが(中域に色気が乏しく感じちゃう)、サウンドチェック1秒もしないなりに直感と記憶でセッティングしました。
この日は勝ち!盛り上がったけど若者が多かったから売上には直結しないかもなあと思ってましたが、みんな物販を買ってくれて、さらにアメリカあるあるな気がするけど、ライブ最高だった、俺はこういう最高な事をやってて間違いなくお前らも気にいるだろうから俺の作品もチェックしてみてよ、て名刺もらったりする大会も開催されたのでたぶん勝ち!!
トリのKulululuは5年前にBandcampで調べまくってた頃に見つけたバンドで、活動拠点ポートランドだった気がするんですがどうやら出身はツーソンだったらしく、ひょんなご縁でここにきての共演。不思議な音楽で素敵でした。
終演後は会場の向かい側にあるから行こうよ、って言われたけど実際1kmくらい離れた場所にあったBay Horse TavernというところでKulululuたちときてくれたDrollのメンバーと乾杯。まさかツーソンで三島由紀夫の話するとは思いませんでしたが、文学を語る類の英語のボキャブラリーがないので良いよねえ、面白いよねえ、というIQ4くらいの会話しか出来ませんでした。悔しい。バンドのインスピレーションとかオススメとかを聞かれた際にはなるべくMITOHOSの布教をして、最終的にはこの日初めて知り合ったPaulという人の家に泊めてもらう事になりました。Paulの家は広くはなかったけど清潔で居心地が良い感じで、いい塩梅に放置してくれて最高だったので歌舞伎揚をあげました。
440マイルの大移動はあったものの割と優しい気持ちで撃沈。