20220907

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9/2 東京→大阪

朝8:30頃分倍河原駅集合。台風が2個混ざって最強になりました!ルートが複雑になっており読みづらいです!みたいな怪しい情報が入っていたので、朝の雨雨雨な感じのところから今回は雨三昧のツアーになるのかなあ、昔みたいにハイドロプレーニング現象に巻き込まれるのかなあ、と少し気が重いところでした。機材の搬出入において雨って本当にしみじみテンションを下げてくるんですよね。

私と上田氏は一時期MUSEがわりと好きで、もはや全然追っかけてないけど彼らの新譜が出たので聴き始めたところバンドのキャリア史上稀に見るレベルの豪雨。ちょっと生命の危機を感じるレベルの全く前が見えない豪雨。うわああとなってMUSEを消して運転に集中したら止んで、ああ良かった、とまた再生したらまた歴史的豪雨。MUSEを聴くのは危険だね、となって封印して以降はほぼ安定した天候で大阪まで行けました。途中何度かMUSEの事を考えた時に黒雲の密度が濃くなったりしたので、この後きっぱりとMUSEの事を考えるのはやめました。(豪雨の被災に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。)

リハよりだいぶ前のタイミングで会場入り出来て、この日共演のYUNOWAやYOLZ IN THE SKYの面々と再会を喜びつつ、サクッとサウンドチェックをしてから天満駅前の但馬屋という飲み屋で前打ち。ここは以前z/nzと一緒に来た場所で、ここに絶対また来たい!という思い入れがあったわけではないものの、他の周りの店が雑チェーン店とプロ向けの渋い店ばかりだったので、なんとなく吸い込まれてきました。

この日はYOLZ IN THE SKYから。彼らのキャリアは4人(gt,ba,dr,vo)→3人(gt,dr,vo)→2人(gt,vo)→4人(gt,ba,dr,vo)→そして現在の3人なんですが彼らの狂ってるところはメンバー自体は一緒なんですよね。そして毎回期待を超えてくる。私は第四期?以外は全部見てますが特に2人時代はぶっとんだ音楽で価値観を変えられました。君は次の次の小節のフレーズを演奏中に仕込み続けるライブを見た事がありますか。

今回はドラム、マシン、ボーカルの編成でのライブで、表現が難しいんですが素晴らしい虚無を鳴らしていました。3人での東京公演、以前リミエキ企画がぽしゃったのでまだ来てないんですよね。マギー氏とも話したけど是非年明け以降に呼びたいところ…!

2組目のYUNOWAは京都で共演して以降2度目ですが、初回の頃に残っていた生演奏現代R&B的な印象からもっと雑食オルタナへと変化した感じ。彼らと話しても、色々やりたいと言っていたので自然な進化なのかもしれません。ルロウズはここ2年でマインドセットから凄く変えたよ、と方々で言ってますが、もちろん同じだけ時間が流れているので、やるバンドはみんな動いている。

ルロウズはトリ。とにかく一生懸命余白のある演奏をやりきりました。閃きが瞬間的に生まれたら、失敗を恐れずそれに委ねてみる。あまり青写真を描かない。無心、って思う時点で考えてるので、夢中、ってメンタルで演奏するのがいちばんいいですね。物販も手に取って頂いてありがとうございます。

終演後は超久々に会ったアンディ氏やあまり久々でないマドナシ氏、さらに共演陣とパーティ。会場の物理的な大きさもあるけど、この終演後のゼロ距離感がpara-diceの醍醐味ですよね。みんな超帰らず、結局27時くらいに鉄兵氏のところに収容されて泥のように撃沈。雨にもやられなくて初日から最高で最高…!

Thanks to: 鉄兵氏、マナティ氏、MUSEの新譜



9/3 大阪→山口

朝9時くらいにゾンビのように起床。新鉄兵邸はリノベーション感がかっこいいモダンな作り。静かで居心地も良く、良いゾンビ感で起きられました。そして外はやさしく晴れ、暑いけど。

大阪山口間は東京大阪間とだいたい同じ6時間くらい。なんですが、モブな風景で実際よりも精神的には遠く感じます。中国地方に行くとふりがながないと読めない地名が増えますよね。特に雨にやられることもなく入り時間に上手に湯田温泉入り。

会場のオルガンズメロディはFORESTLIMITとほぼ同じくらいの大きさ。主催のshiNmm/ayatoのまなぶ氏は結果的にPA、DJ、ステージハンド、演者としてこの日動き続けていて感動的だったのですが、ルロウズのリハもしっかり音を作ってくれました。

リハ後はウサギバニーボーイ高宮夫妻と横にある謎の肉バルみたいなところで前打ち。よくご縁を頂くウサギバニーボーイもなんだかんだ久しぶりの再会で、積もる話もあるものですね。今回のツアーは元々Media Jeweler来日に併せてプランニングしたものだったのですが、彼らのキャンセルで山口/熊本公演は主役不在の穴をどうするか、言い出しっぺの私はどうするかっていうのを色々考えていました。高宮さんにも相談をしていたところだったので、是非リベンジ公演もしたいものです。

会場に戻りDJまなぶ氏が最後の音を伸ばしながら急いでステージに移動してライブはayatoからスタート。色々信頼出来る友達が話していたayatoでしたが噂に違わぬ音、凄かったです。はじめてデラシネを見た時のような異物感というか、目指すところが一般的なソレのところにない感じで、ヘッドライトをつけてのステージング含めて最高でした(そもそもは顔バレを避けるのが理由だったとか…)。2組目のウサギバニーボーイは高宮氏の機材トラブルと眼鏡を踏み抜くトラブルもありつつ情熱的なライブ、そして今回いちばん驚いたのは3組めのFurate。MITOHO SESSIONSでもお招きしたこともありましたが、もともともっと線の細い演奏だったイメージなのがこの日は出音もあって超興奮する感じに仕上がっていて、さらにドラム本丸氏のボーカルやパフォーマンスもキレッキレで掛け値なしに素晴らしかったです。心から楽しそうに演奏する人がメンバーにいるバンドって本当にいいですね。

ルロウズはそれら3組の繋いだ素晴らしいバトンを受け取りトリ。セッティング中に上田氏が階段から落ちたりしながらもやりきりました。ルロウズの時には何故か15分くらい時間が巻いていたので練習不足の曲も余すところなくとにかく本気で誠実に演奏。山口のshiNmmを中心とする若いシーンは本当に素晴らしくて、音楽への貪欲な姿勢やオリジナルな表現を志す意識、そして実際の出音、オーディエンスもすごく前向きで、演奏し甲斐があります。
物販を手に取って頂けた皆さんも本当にありがとうございました。物販あるのが私たちだけってのがヤバかったです。

ルロウズ後にはDJアヤト。トータルで終演後も呆然とするくらい満ち足りた内容でした。ayatoのメンバーとも色々話したのですがまなぶ氏が初心者を集めたそうで、バチバチのドラムをやっていたのもまだキャリア3年(!)。shiNmmもそうですがプロデューサーとしても超有能…!

打ち上げはルロウズもウサギバニーボーイも疲れてるでしょうから、って気を遣ってもらいshiNmmさない氏(家主不在)の家へ。家って言っても一人暮らしなのに部屋が8個くらいあって、さないさん本人もたぶん使いきれてなくて段ボールがアートのように置いてあるだけの謎の部屋もある感じの超広い家に15人くらい集結し山口打ち上げの象徴「ふじ苑」の中華をテイクアウトしまくった幸せなパーティ。20代前半の彼らの空気に充てられて(みんなやさしい)すごくリフレッシュしたし、まなぶ氏のビジョンについての話は一生聞いてられるし、とても刺激をもらったしなんなら山口に住みたい…と思いました。

メガネたちの電池が切れてきたところで27時くらいにお開き。高宮さんは年を取って寝る体力もなくなった話を聞いた2分後にいびきをかいていたのが天才だと思いながら私もじきに撃沈。

Thanks to: まなぶ氏、さない氏、本丸氏(この日から完全に私の推し)



9/4 山口→熊本

この日は私たちもウサギバニーボーイも熊本。ここから熊本は約3.5時間、彼らは出番が14時頃と早いため色々余裕も見つつ8時頃には出る、と前夜言ってたものの別行動をしていたベース氏が大寝坊をしたため私が起きた時にはチルアウト中。実際にはさらにちょっとした時間の勘違いもあり出番ギリの会場入りになったそうですが結果オーライ!
ルロウズチームはだらだら身繕いをして10時頃出発。前夜の宴の後始末は殆どayato/Furateチームがやってくれてたのですがさらにその後高宮夫妻がやってくれてて、ルロウズは感謝を大声で言うだけの口だけ人間になっていましたが、さらに出発時まなぶ氏が鍵の回収にまで来てくれて、至れりつくせり…。ここで先に告知しますが12/3(土)秋葉原CLUB GOODMANにてayato東京初公演をキュレーションします、その際のおもてなしのハードルがぐっと上がったのですが、それ込みで頑張ります。

この日も晴れ。方角的には台風にどんどん近づいていくようなスケジュールだったので心配だったのですが、まあ心なしか風が強いかなあ、程度で、天候も3年ぶりのアートブレイキーフェスに味方をしている感じで最高。

久しぶりのNAVAROで入口でDoit Science清田氏やドイ氏を見つけた時の喜びと言ったら…!彼らはイベントの2週間前くらいに相次いでコロナ陽性になったらしく、直前の石頭地蔵キャンセルは残念でしたが、照準をこのフェスにあわせてるんだなあと思いました。

到着時にはウサギバニーボーイが演奏していました。昨日眼鏡を踏み抜いた高宮氏はサングラスで演奏していて、そのビジュアルが私に似ていて、ドッペルゲンガーを見ている気持ちで鑑賞。しながらもairbnbですぐ近くに取った宿へチェックインし、車もそこに停めて飲酒含めて準備万端にしてから再び会場へ。airbnbで取った宿のオーナーさんはホスピタリティの鬼で、宿も清潔で、何よりもNAVAROから徒歩3分でいけるので、何かあった時やお酒を飲んで幸せになりすぎた時の安心感が頼もしいところです。

今回初共演でいちばん見たかった岡山のTHE NOUP、福岡のナルコレプシンがちょうど私たちの前の出番だったのでフルで全力で見ましたがどちらも凄かった…!NOUPはハードコアとトランスのハイブリッドみたいな質感ですがあの音楽性でギターが入っているのが、そしてストロークも工夫して差してるのが私としては凄く良かったです。ナルコレプシンはPANICSMILE吉田さんづたいにずっと話を聞いてましたが、ムニュムニュしたパンクミュージックで最高に興奮しました。タイムやグリッドのヨレってルロウズはつい録音のことを考えて計算したりするんですが、天然に勝るソレってないですよね。ポッポコピー氏の鍵盤が一切リズムを取らずに鳴らしてる感じとかもメンタルが強すぎる…のか、そもそもグルーヴとかそういう概念でやってないのかわかりませんが、異形の音楽で是非この2組は東京に招聘したいところ。。

サーキットイベントは主催した事のある人間として時間の押し巻きがとにかく気になるところ。と勝手読みして、私たちは1音もサウンドチェックせずにいきなり始めます、とPAの人にとって逆に負担になる上に過去にそれをやってうまくいったのが2割くらいのスタートをしたのですが、リアクション的にも自分達の演奏的にも無駄がなくしなやかに出来てて良かったのではないでしょうか?

そういえばFresh!の面々とも超久しぶりの再会(藤井氏と中村氏とはちょっと前に会ったばかりですが)。足を怪我した藤井氏のローディとしてちょっと手伝ったりしながらギターの心の師匠である伊東氏のプレイを袖で見てましたが、やはり同性も惚れるいなせな演奏…。秋山氏やマッチョ氏ともたぶん5〜6年ぶりの再会でしたが、それが東京以外っていうのもオツなものですね。

2020年以降、こうしたライブイベントに対する人々の考え方がアップデートされたのに伴い自分の中でも位置づけが変わって、すごくかけがえのない時間をカッコいい人たちと共有しているって認識するようになったからかもしれないし、あるいは元々インドアな私としてはとにかく人に会えるのが嬉しいだけなのか知りませんが、そこまで酔ってなくても謎に人に酒を奢る癖がついてしまって、この日も後半はバーカウンターにへばりついて知り合いじゃない人にも意味不明にお酒を買ったりしていました(アルコールハラスメントにならないように気をつけながら)。知り合いでもない人にあなたの飲もうとしてるそのお酒を俺に買わせてください、っていきなり言われるのって逆の立場ならラッキーっていうよりまずは警戒しますよね。確かに私のことを口説いてますか?って聞かれたりしたし、動機こそ死ぬほどピュアなんですが怖かったらすいません。とりあえず上田氏と近くにいた人たちを巻き込んでテキーラ祭りを開催し、テキーラは悪酔いしないっていう都市伝説を信じながら音を浴びていました。そうした中で見たMul-Let-Ct2やDoit Scienceは冷静な耳ではないものの、やはりオルタナティブたちの希望だなあと思うのです。長丁場のイベントでしたが、ずっと高まり続けていく感じや、誰も彼もがこの日を待っていた、っていうような空気があって、そこに参加出来たこととその人たちのお酒代を一部負担出来たことを誇りに思います。

終演後はこの日はGOAT BELLサポートで来ていたネネカート足立氏やIRIKOの中西氏などとも久しぶりに話したり、とにかく誰彼構わず褒めたりして最終的に27時くらいに宿へ。上田氏に手伝ってもらってアンプをえっちらおっちら運んで瀕死で宿に戻ったのですが、テキーラ4焼酎2ビール3の私や上田氏も迷惑かけないレベルなりに大概なものでしたが、時間差で宿に戻ってきたウイスキー16くらいの山本氏のダメージも深刻で、頼んでいた物販の鞄も鬼のように忘れてきてて、ここまでの寝不足もあって全員そのまま撃沈っていうか即死。

Thanks to: 清田氏&Doit Science、NAVARO、足立氏(お土産をくれた)




9/5 熊本→大阪、9/6 大阪→東京
私は割と平和に起床出来たものの16ウイスキーの山本氏がまあまあな残ダメージ。11時にチェックアウトをしホストの方にお礼を伝え、忘れていった物販鞄をNAVAROに回収に行った後朝食っていうかランチは私と上田氏で心のふるさと「スリランカ」へ行き極上のカレーを頂きそのまま大阪へ。ここでもまだ台風の影響は受けておらず、ラッキーでした。
なんだかんだ大阪へ着いたのは夜9時くらい。2泊目となる鉄兵邸の近くにある韓国料理屋に行ったものの、食べ物もスタッフも総じてやる気のない感じでこちらも無言になってしまう、悲しみのディナーでした。他に近くにやっているお店もなかったのでまあしょうがないんですが、家主のマナティ氏にお店の評判聞いたら「…」と無言で首を振られたので、推してはかるべしだったのでしょう。やっぱり近くにあるこってりした感じのスナックにすればよかったのかなあと思いつつもスナックって行ったことがなさすぎたのとドアの奥から聞こえてくる演歌にびびっていけませんでした。韓国語の勉強をすることと、そういう場所で通用する演歌のレパートリーを仕込んでおくこと。頑張ります。

そして翌日はひたすら移動。夕方頃東京に無事着きましたが、この感じなら9/5に帰路のどこかでライブを入れればよかったねっていうのが正直なところでした。そして2400kmの距離の大部分を安全にドライブした山本氏もサンクス!

Thanks to: 鉄兵氏、マナティ氏