20211218

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12/17 幡ヶ谷

『CREOLES』リリース時に下北沢ERAでワンマンをやったときには声を飛ばしていた不本意な状態で臨んで、もちろんその時出来た最善は尽くしたものの、それ以降もライブハウスとスタジオで合計18時間やった伝説の【MITOHO SESSIONS】でも体調地獄ほど崩していたりと、冬に自分でセッティングした節目の大事な企画で自分が事故る、という事が何度かあったので、今回まずは起きた時に120%の体調だったことにほっとしました。これで余計な事を考えずに演奏に没頭出来る。失敗したとしても(ダメだけど)きちんと反省/学習出来る…!

そもそも春先に野口英律(dr)に声をかけて一緒にやるようになった目的の一個としてこうしたイベントは考えていました(もう一個の目的はUSツアー)。多面的な(浮気性な、飽き性な、と言い換えるべきかもしれない)ルロウズのサウンドをわかりやすく人を変えて演奏すること。ロックバンドとしての矜持を高く持ちつつ、変化に恐れずに飛び込むマインド。
言うは易しですが、さて実際に野口くんを交えて入り組んだ(自分では平易で明快で必然的なアレンジと思ってますが…)楽曲を①覚えてもらい②山本淳平アレンジと差別化を図るため抜本的なリアレンジを施し③グルーヴ/肉体化させる、というミッションを多くはないリハーサルで徹底的に訓練しました。野口くんの長所を捉えたアレンジメントを考える途上で、ドラムセットの点数は少ない方がモテる(+ツアーでロードイン/アウトが楽)、という謎理論の押し付けにより彼がMUSQISで演奏するときの1/2以下、ミニマルなセットになりました。

当初はもう一個ビジョンがあって、ドラム2台を並べて①野口ルロウズ→最後で山本加わり最新曲「もたれ」を演奏→②シームレスな感じで山本ルロウズスタート、みたいな事をやりたかったのですが、時間と他レパートリーの精度向上のためにそれは今後のお楽しみとなりました。

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DJ畠山KJのサウンドチェック時にもうお客さんが見えたので、そのままローリングスタート。ニューウェーブ/変なパンクに強い印象があるのですが「家で聴きたくなる気持ちになる事がない音楽をみんなと一緒に大きな音で」が彼の選盤基準らしいです。

先攻は野口ルロウズ。直線的で、シュールで、海外のバンドみたいな雰囲気を意識したアレンジメントを施しました。長尺のセットなのでいつも以上に自然体で臨みましたが、バンドの音にちゃんと自分で興奮出来て、個人的なハイライトは「Q.E.D.」って曲だったんですが会心の演奏が出来たような…。歌詞をど忘れしたのとかは愛嬌、ではだめですよね。すいません。野口くんに歌詞を教えてもらうという誰のバンドかわからない感じになりました。

12/17 LOOLOWNINGEN 1st set
1.鋏のあと
2.睡蓮
3.It's (not) Gonna Happen
4.演じるサイン
5.カンダタ
6.バグとデバッグ
7.楕円のドーナツ
8.The Great Journey (KIRINJIカバー)
9.MOB
10.Q.E.D.

2セット演奏、ていうのが人生初の経験で、転換のDJ中にお酒を入れちゃうのは危険だし、話し相手もいないし、スイッチ切ると戻せなそうだし、みたいなので主役のはずなのになぜか居場所をなくしてしまい、やや巻き気味で2ndセットをはじめさせてもらいました。ジャズの人たちはあの時間をどうやって過ごしてるんだろう…。普段から5時間のリハとかをやっているので所謂休憩とかは1時間程度の演奏では必要には感じないんですが、お客さんは大変でしたよね。。

後攻は山本ルロウズ。曲線的で、装飾的で、ディシプリンの効いたサウンドを心がけました。演奏のアプローチやドラムセットの点数もそうなのですが、マイキングに関しても野口セットはキックに1個だけ、に対して山本セットはフルマイキングで臨んでみたのですがサウンドはどうでしたでしょうか。ほぼライブではやらない「クーデター」でぬめっとはじまり、じょじょにアメーバのようだったビートの解像度が上がっていく、みたいなイメージでセットリストを組みました。同様にほぼライブではやらない「他人の夢」や新曲「リングワンデルング」もつつがなく披露出来ました。

12/17 LOOLOWNINGEN 2nd set
1.クーデター
2.ポラリス
3.DOPPELGÄNGER
4.コンコルド
5.御盾
6.他人の夢
7.あとで
8.未明のパレード
9.ネオンライト
10.桜桃、梨〜Hey Jude
11.リングワンデルング(新曲)
12.象を撃つ
13.ユスリカ
14.inferior/superior ~ 愛は勝つ
15.クレンジング・ミー

終演後はやり遂げた達成感と解放感、そしてお酒を飲んだり、来てくれた人たちといろいろ話せる、と準備はいろいろ大変だったけど、とにかくやってよかったと思いました。浜松(!)や山口(!!)からもご来場があって、あとは『PAREIDOLIAS』参加のケビンとメーテルも来てくれて、やはり私はライブに生かされているなあとつくづく思いました。半ば意識的ではあったのですが多幸感からお財布の口がこの辺でいよいよバカになって、お酒をごちそうするマシーンに成り果てた挙句、打ち上げで行った「東京ロージー」まで合わせて酒だけで25000円を消失しましたが後悔はありません。いまのところは。。