もう12月!2021年もあと僅かです。そして年の瀬といえば12/17(金)幡ヶ谷FORESTLIMITで開催される【MITOHO SESSIONS】ルロウズワンマンももうすぐ。さらには先立ってリリースした『PAREIDOLIAS』発売からも1ヶ月。ということで、アルバムに参加してくれたミュージシャンについて色々書いていきたく思います。今回はピアニスト、Kevin McHugh!
1982年アメリカ合衆国ワシントン州シアトル生まれ。ピアニスト・アコーディオン奏者。アメリカ合衆国で最も古い歴史をもつ音楽学校、オバーリン音楽院と、ドイツのベルリン工科大学でジャズピアノとドイツ語を学ぶ。2006年にトマス・J・ワトソン研究奨学金を獲得し、一年間に渡り5カ国で即興音楽の研究をした。
2011年、国際交流基金からの助成を受け、東日本大震災復興支援のための演劇および短編映画作品に楽曲を提供。また、最近では、日米の音楽家を結びつけるプロジェクトSeattle Meets Tokyo: Modern Jazz Connectionsの主宰者として、2015年のSeattle4Culture賞を受賞した。
東京在住9年目の現在も、マキューは多種多様なジャンルに渡って音楽活動を続けている。プロのジャズピアニストとして東京の著名なジャズクラブやホテルで演奏をしているだけでなく、アコーディオン奏者としての活動や、即興演劇の劇伴やクラシック、ロック等の演奏もする。また、NHKのテレビ番組「SONGS」やCASIO、ヤマハの鍵盤楽器のプロモーション映像への出演、S2Sジャパンを始めとするレーベルや様々なバンドのレコーディングに、バンドマスター・作曲家・編曲家として携わっている。
https://kevinfmchugh.squarespace.com/japaneseケビンとの出会いはたぶん15年くらい前。当時はMyspaceで新しい音楽をディグるのがかっこよいとされていた頃(主に私の半径500mくらいで)、どうやって私を見つけたのかわかりませんが、日本に行くから遊びましょ的な内容のメッセージを急に寄越してきて、なんとなく珍しくて気になった、のと当時彼が参加していたCapillary Actionというバンドが凄すぎて、じゃあ遊ぼう、と在りし日の深夜の新宿JAMのモニターでドラえもんを一緒に見た記憶があります。なんでそうなったのか経緯はまったく覚えていないけど…。
そこから彼のビザ取得を手伝ったりとか、一緒にパーティしたりとか、スラングを教えあったりとか、基本は音楽が介在しない友達みたいな感じで付き合いがずっと続き、結果ルロウズというプロジェクトが立ち上がった時の初代メンバーになってもらいました。初代ベースのひろみ氏がバンドを去った直後のキャンセルしきれなかった京都公演ではギターキーボードドラムの3人で7割アドリブのライブをしたのも懐かしいです。途中でメンバーからは離れてしまいましたが、以降も疎遠になることなく節々で録音に参加してもらったりしています。
ケビンはジャズ、即興も素晴らしいですがバンドものも出色です。山本淳平も参加するnouon、いまはやってないようですがエレクトロジャズpolylis、ビッグバンドnariiki、どれもエレガントでなんていうか根っこが上品!ルロウズの過去曲でも「手のリレー」「あとで」「リボン」このあたりはアレンジに彼の名前をクレジットする必要があるでしょう。
本作は「他人の夢」、「種を蒔く」、「君はスター」、そして「黄金の土」の4曲でピアノ、エレピ、オルガン、メロトロン、カリンバ、ストリングスなどなど多様なサウンドで参加してくれています。特に録音時印象的だったのは「他人の夢」。
歌詞もそうなんですがこの曲はかなり映像的なイメージを重視した曲で、パパパコーラスからの長いCM7の後奏の通り雨が地面を叩く様子、それらで煙る絵本の夜の町がどんどん引きの映像になっていく感じ、これを伝えたところ見事にアドリブのピアノ(とアトモスフェリックなオルガン)で神々しいムードにしてくれました。2テイクとったかとってないかくらい。面目躍如というか、この曲はドラムとピアノの演奏がとにかく素晴らしいと思ってます。
会うたびに新しいプロジェクトの着手をしている彼、まだオフレコかもなので詳しくは書きませんが直近やってることも超面白そうでした。
いちばん最初に見に行ったライブは地元シアトルでスマパンだったという事で、ジャズ界隈ばかりで彼の名が轟くのは勿体ない…ルロウズをフォローしてくれている方は是非彼の芳醇な音の世界にアプローチしてみてほしいです。