20210815

702(大阪〜静岡ツアールポ)

 

8/12 東京→浜松

今回のツアーが決まったのは5月頃の話。その頃はコロナ禍についても依然予断は許さない状況ながらもポジティブなニュースがちらほら出てきていて、欧米圏でのフェス/ツアーが復活、とか、出遅れ感がありつつも国内でもワクチンが流通し出したり、とかで、全国各地のイベンター、ブッカー、バンドたちも8月以降の希望的観測を込めてスケジュールを組んでる人たちが多かったように思います。

しかし8月中旬現在のこの感じ。私個人としては2度接種済みだったのもあり、ツアーに関してニュートラルだったものの、当然自分ひとりの世界で完結する話でもないし、宣伝もしづらいし、当然主催や会場にとっても綱渡りの、精神の擦り減るプロジェクトですよね。その辺のメンタリティ含めた話は全員がしてると思うのでここでは割愛しますが、正しさ、確からしさ、についてはわかりません。

さて、8/13の大阪公演について、①スーパーお盆のど真ん中②蔓延防止等重点措置、それから緊急事態宣言など刻々と変わる状況、に振り回されて開演が17:00と決まったのが8/上旬。実は数年前にも8/13大阪公演をやったことがあって、その時は地獄渋滞により13時間くらいかかった記憶があったので、基本我々は前ノリをしないタイプだったのですがそうも言っておられず、さらに8/14静岡公演も昼公演ということで、検討の結果「ちょうど中間くらいの距離になる浜松で2泊する。」というプランにしました。野口号は山本号と違い軽自動車で積載量も限られるため、私物のバッグを宿に置いていける、夜走りで変な時間に大阪に着いて時間を持て余すこともなくなる、いい感じに日を跨いだ直後くらいに高速降りれば安い、いいことずくめ、天才だね!と考えてました。いつも人の家にお世話になる私たちでしたがご時世的にちょっとアレかなと思い、プロのインターネッター上田氏に安宿を確保してもらいました。

大雨のニュースが気がかりな中、21時頃に世田谷代田で合流し出発。夜走りだから渋滞とかはそんなにないとは思っていたものの、呆気にとられるくらいスムーズに移動出来てうっかり日付変わる前に到着。時間調整で手前のPAに少し待機したりして、雨の影響もゼロ、HPをひとつも削られずに不思議な気持ちでホテルにつきました。

名前は出しませんが浜松のここのホテル、エントランスの民宿館、パーキングが飛び地になってる感じ、そもそも他より圧倒的に安い値段、などなどきな臭い感じがありましたが3人で取った部屋が7畳くらいにセミダブルベッドとシングルベッドが強引に置いてあって、クローゼットとか皆無。あと結局換気扇が微弱に動いてるのを最終的に気付けましたがあわやバスルームがno fan at allかと思わせる感じで、2つ星ホテル!ってグーグルに書いてありましたがこれで星2ケなら1つ星ってどんな感じなんだろうか…。清潔だったので寝ちゃえばOKという感じでした。

サクッと着きすぎて疲れてなかったものの翌日はチェックアウト早めにする必要があったためひととおりホテルにツッコミを入れながら優等生なタイミングで就寝。上田氏はエアマットを敷いて床に寝る運びとなりました。


8/13 浜松→大阪→浜松

全員疲れもなく、当然優等生なタイミングで起床。13:45からサウンドチェック、ということで雨の事とか未だ読めない渋滞とか見越して9時には出ようね、と前夜言ってたのですが8:30とかには身支度が出来てしまったため出発して近くのコメダ珈琲店で優雅にモーニングを頂きました。そういえば5年前くらいにも浜松のコメダに行ったねえ、という話が後の伏線になるとは思いもしませんでした。朝コーヒーをゆっくり飲めるのは本当に幸せ。

新名神が四日市の辺りから伸びたために鈴鹿亀山あたりでの渋滞あるあるがだいぶ緩和された話を聞いてましたが、雨も問題なし、渋滞もなし、と全てが味方して13時頃優等生的に扇町に到着。このあたりから雨が激しくなってきましたが、軽自動車だったこともありアンプ持ち込みもなく、また扇町はスーパーロングアーケード商店街があるためこういうときに助かります。ANYOのメンバーと再会を喜びつつ、近くのつくもうどんでランチ。自分たちの体調と完璧に調和するうどんを頂き、ここまでずっと2択に正解し続けてる感じになっていました。

私がワクチン副反応がかなり激しかったこともあり、さらに高熱や関節痛、筋肉痛などを何故か実験的に薬に頼らず乗り切ろうとしたため1週間くらい潰してしまい野口氏サポート版の貴重な最後のリハを飛ばしてしまったので、普段サウンドチェックは基本PAの人のためにやってるのですがこの日は全力で練習。病み上がり感とかいちばんダサいし見てる人が不安になるのはダサいを通り越してNGなので、精度含めてしっかり確認出来てよかったです。

リハ後開演まで2時間ほどあったため、主催の鉄兵氏誕生日ということもあり街ブラ+ケーキを買いに行くことに。雨が結構酷くなっていたのと楽器屋に寄って楽器買ってリハと違う楽器で演奏したいね!クレジットカードの限度額上がりましたってメール今来たし!というけしからん話になり梅田まで車で移動しました。楽器屋に関しては三木楽器は確か良かった、というフワッとした記憶だけで行ったのですが三木楽器っていっぱいあるんですね。私たちが行ったところは小さくて目ぼしいものはなかったです。残念。

近くにあるeイヤホンで高級イヤホンに耳鼓を打ちつつ、なんとなく見つけたティーンにバカ受けの気配のフルーツメインのスイーツ屋さんでホールのタルトを買って(パイナップル8個と迷いましたが…)、スタッフの方に失笑されながらバースデーメッセージも代筆してもらい、雨雨雨の中を会場に戻るとちょうどいい時間。お客さんもしっかり入っていて、改めて冒頭の葛藤逡巡を経て来て良かったと思いました。

トッパーはふつうのしあわせ。ベース安齋氏は京都GROWLYの長なので普段は雇用/被雇用のような関係性ですがこの日は出演者として同じ目線になるのもいいですね。改めてめちゃくちゃ変なバンド。2組めのJACKSTRAWは初共演でしたがドラムの方の魂のフルショット感が最高でした。終わった後楽屋にフルマラソン走った後のようなぼろぼろの感じで戻ってきたのを見て、勿論そういうアプローチが唯一の正解ってわけではないにせよ、今日これくらい疲れよう出し切ろうとスイッチが入りました。

1.鋏のあと
2.睡蓮
3.演じるサイン
4.DOPPELGÄNGER
5.Great Journey
6.バグとデバッグ

とりあえず悔いのない演奏は出来ました、疲れ果てたし終演後物販もたくさん手にとってもらえたので演奏の精度とかはアレかもしれませんでしたがグルーヴと熱量としては良かったと思います。

トリはこの日の主役鉄兵氏のバンドANYO。たくさんANYOのステージは見てきましたがpara-diceで見るとアットホーム感が強くて良いですね。大きなステージでのよそゆきの感じも捨てがたいですがメンバーの人柄を知ってるとこちらの方が自然に感じられます。内輪になりすぎない程よいホーム感。

久々に会う顔や爆音が嬉しくて、割とサクッとケーキを渡して離脱する予定だったのですが2〜3時間くらい談笑。ふつうのしあわせザッキー氏や、ANYO玉田氏(ルロウズは彼のtwitterにクソリプを送るのをライフワークにしています)が迸っているのを見て、理屈抜きでこれだよなあ、と思う時間を過ごせました。ケーキもケーキカッターがなく死ぬほど食べづらかったけど好評で幸せ。

HP0の私、サポートバンドで緊張感を強いられてHP3くらいの野口氏を含む一行はヘロヘロな感じで浜松へ。食事を摂るタイミングも逃してしまい、久々のツアーで体力配分とかもガバガバになってたのかもしれませんが雨雨雨雨の中、割と満身創痍な感じで27時前くらいに浜松のもうすぐゲームオーバー状態のテトリス宿に戻り、泥のように就寝。


8/14 浜松→静岡→東京

泥のように起床。寝てる時は雨音が気になりましたが朝の時点ではポツポツくらいの状態。ただ天気予報などをチェックすると予断は許さない感じでした。

静岡までは1時間くらい、12時会場INだったので朝食をのんびり食べよう、という話に。コメダ2連投はなんとなく発想が貧困だと思ったものの気の利いたモーニングを食べられる場所が探せず、苦肉の策で近くにあったイオンモールへ。気分がアメリカだったためいちばんアメリカぽかったバーガーキングでバーガーとポテトをコークで流し込んでやりましたよ。私は普段炭酸飲料を飲まないのでコーク2口めでコーヒーにすれば良かったと思ってましたが、まあ気分がアメリカだったから仕方がない。

雨にもそこまで影響されずに会場のFREAKYSHOWへIN。はじめて行った場所だったのですが広いFORESTLIMITって感じで個人的に最高でした。ざっくばらんな作りをしていて、バーもかっこいい。閉店してしまった騒弦からも100mくらいという事で、うっすらこの辺を散歩した記憶も蘇りました。

この日仕切りの仮説の2人との出会いは本当に偶然かつ直近の話で、浜松キルヒヘア閉店イベントで共演→妙に共鳴しコンピにオファー→レコ発も兼ねて2マン、とここまで5ヶ月くらいで全部巻き起こりました。夜のイベントが入っていたため昼開催だったのですが、ふたをあけてみたら夜のイベントが中止になってしまい、昼イベントながら何時までやってもいいですよと鬼なことを言われました。サウンドチェックを簡単に済ませ、割とすぐに開演。

先攻の仮説はシュールなミュータントパンク。編成的にも左右を意識してると玉木氏が言ってましたが、仮説の音はもっとミニマルで絵画的な質感があります。そして1曲ごとでなくセットリスト全体で流れというかカタルシスを作る抑制の利き方が素敵。聞いてなかったけどキャリアどれくらいなんだろう…。何も起こらない音空間を途中で怖がらずに作れるのはベテランの技ですよね。

1.鋏のあと
2.睡蓮
3.演じるサイン
4.DOPPELGÄNGER
5.あとで
6.Great Journey
7.バグとデバッグ

この日は昨日よりも精度が上がり、流れも作れました。レベル上がってくこの感じ、前日のフィードバックをすぐに試せるのがツアーの醍醐味。物販もたくさん手にとって頂きありがとうございました。

終演後は会場でだらだらと談笑。バースタッフがたぶん5年前くらいにキルヒヘアで共演した後に意気投合して朝まで遊んだラブラブフォーエバーのアンナ氏で、そういえば一緒にゾンビみたいな状態で浜松のコメダ珈琲に行ったなあと強烈に思い出しました。トロイモアのライブがずっとBGMで鳴ってたのですが、Skypeの呼び出し音みたいなのが一緒にずっと鳴ってて、そっちが変なタイム感でループしてるのが気になりすぎてイヤーワームになりました。

帰りになりいよいよ雨本領発揮。足柄あたりでは滝みたいな雨であっこれは危ないやつだ、となりつつも中井PAで捨て値になっていた野菜を買いまくり厚木で上田氏を降ろして以降は割と平和。なんとなく気分で下道で都内に戻りました。

改めて困難な状況下で足を運んでくれたお客さん、粘り強く開催に漕ぎ着けてくれた主催陣、そしてpara-diceとFREAKYSHOW!そしてまだ5回のリハと1回のライブしかしてなかったのに覚えゲーのルロウズ曲を叩きこなし、プラス運転も結局フルでしてくれた野口氏本当にありがとうございました。残る私たち3人の仕事はこの日起因の体調崩しをしないってことですが現状全員元気!ここをご覧の皆さんもまた健康で会いましょう。