20210724

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ルロウズ新譜ミックス④

この日は山本氏抜き。ルロウズは基本全員フルタイム立ち会いでミックスを進めるのですが、やはり自分の演奏したところのOK/NGラインって他の人が聞くのとは別のポイントでありますよね。またルロウズは録音物をライブと分けて考えてるので、思いつきでの原音鬼加工も辞さず、ということもあり折角の生音を地獄音に変えることもしばしば。立ち会ってないとそこに至るまでのストーリーがわからなかったりするので、やはりリアルタイムで共有はしておきたいところです。

さてこの日はまず前回のドッペルゲンガーのミックスパート2。トリオのみのサウンドなら触る場所少ないと思いきや修正したいとこや仕掛けを作りたいとこなどワサワサ出てきて、ひととおり形になるまで案外すごく時間がかかってしまいました。

そして最後に手がけたのは「コンコルド(Concorde)」。ライブでもおなじみの曲なのですが、これはアレンジで既に仕掛けまくりにしているので、基本的には奇を衒わずマキシマム音質にすることを意識しました。テレキャスターで録ったギターの音をレスポールのクリーントーンみたいにしてくれという無茶苦茶なオーダーをしつつ、オーバーダブほぼしてないのに分厚い音にしてくれという不条理なオーダーをしつつ、スピード感がありつつもワインでいうボディの要素がしっかりとある音になったような。

本日はここまで。ここからフィードバックを経て最終ミックスへと向かいます。今作はアメリカでリリースする際にアナログ化を目論んでるのですが、ミックスしたところ7曲でなんと奇跡の39分(レコーディング時あまり時間を気にしてなかった)。カウント切ったり一部マスタリング時にフェードアウトする予定なので理屈上はアナログへの道のりに一歩近づけました。前作はSXSWの時期とモロ被りで納期が鬼すぎるため諦めたアナログリリースですが、今作は今のところ自信作だしキャッチーだし(当社比過去最高)、うまくいくといいなあと思っております。アルバムのタイトルも決めたし、進んでる実感があると楽しいですね。そしてマスタリングエンジニアを探す旅も始めなければ…。