20191021

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10/11 東京→広島
九州のツアーを陸路で行くのは初めてだったのですが、USツアーでの感覚とfolk enoughパイセンの「東京ー福岡はラクっちゃね」というありがたいお言葉のせいでおかげで、機材もフルで持っていけるし細かい移動もラクだし、試験的に車移動にチャレンジしました。さらにウサギバニーボーイ高宮氏の提案もあり、まず広島まで行ってパーティ+宿泊というやさしいプランを選択。

最強クラスの台風が来ている、にも関わらず3人とも自宅ガラスの補強とかの準備一切ナシ。朝から不穏なピュウという風が吹いたりしてて大丈夫だろうかと思いつつ出発。8月お盆の頃は東京ー大阪に13時間くらいかかりましたが、今回は当初予定より出発が1時間くらい遅れたにも関わらずいっこも渋滞に巻き込まれず10時間くらいで広島着。時折風が強かったものの本当にストレスが少なくて最高でした。

広島に着いたのは19時頃。最近病み上がりというか体調がやや弱っていた私としてはやさしい味付けのお魚とかお野菜とかおうどんとか…というチルアウトディナーを考えていたのですが高宮氏の「ホルモン天ぷら食べたことあるだろうか」「お好み焼きはどうだろうか」というパンキッシュな提案を頂き、そうだった明日から3日間ライブだった、と慌ててスイッチを入れて結局お好み焼きへ。

合流後連れて行ってもらったのは「一休さん」というお店。これまで私はお好み焼きというものに対して「ソース味の熱い固体」という程度の認識でそこまで興味がなかったのですが、ここのお好み焼きは革命的に美味しかったです。ソースに塗り潰されない食材の味わいもあって、けどソウルフード感も確かにあって、たまらず日本酒祭りが開催されました。店員さんも味わい深い、帰路の外の風も強いが心地よい、非常によい出だしとなりました。

高宮家に移動して宅飲み。高宮夫妻やキツネの嫁入りマドナシ氏とは東京に住んでる知り合いよりたくさん会う機会がある気がするのですが、それでもなお積もる話は尽きず。ウサギバニーボーイのバンド論や高宮氏の作曲の方法論は本当に面白く思います。日付が変わる前くらいにやさしく撃沈。

10/12 広島→福岡
爆音の隙間風とともに起床。とはいえ雨も降ってなければ外の景色感もまずまずで、このあとの行程への影響は少なそうでした。

ニュースで台風情報をチェックしつつ進路が完璧に山本氏の家、実家を網羅してる事に心配しつつ、交通規制などを予期してウサギバニーボーイチームと同タイミングで出発。彼らは本日大分で私たちは福岡です。

道中で風や雨、ウヒョーみたいな瞬間は多少あったものの渋滞もなく問題なし。関門海峡を初めて抜けて恙なく九州に上陸しました。

スイッチを入れたとはいえ相変わらずお魚、和食に対するモチベーションは高かったのと体調メンテナンスのため「玉名食堂」にて昼食。ごちそうさまでした。

博多駅の東急ハンズで物販用の備品を調達してから薬院、ユーテロへ。この日はエクスペリメンタルな共演陣の中、カガセヲというバンドがZABADAKのようなトラッド感のあるプログレッシブな音で、彼岸の感じがありました。USツアー明けのKELPはフリー寄りのピアノトリオになっていて、じった氏の無目的な(褒め言葉)トランペットが最高でした。

ルロウズは一筆書きのような演奏。良い演奏だったと思いますがどうでしょうか。エフェクターを新調してからミニハムバッカーのギター、アンプとの相性を模索してますがブーミーできりたんぽみたいな音になってますが、これがバンドサウンドやグルーヴ全体をプッシュするのか、あるいはもっとエッジィにした方がいいのか…。引き続き色々実験してみます。
デンマークのHEXはギター、ドラムのエクスペリンメンタルなノイズデュオながらドラマーがとにかくシングルストロークで全開で叩きます系のフィジカルまくりな感じで素敵でした。

終演後はfolk enoughの不良のパイセンや山本氏が昔やっていたグループの相方(詳しく書いていいのか不明のためフワッとさせておきます)が来ていて、私も14年くらいの時を経てうっすら面識があったので祭。焼酎をたくさん飲んで幸せなうになったのですが、病み上がりだし台風も心の何処かで心配だしでハメを外しすぎることはなく出演陣と行った〆のラーメンも美味しく頂き、引っ越し間近の吉田氏の家にステイ。オルタナティブの大先輩の家に泊めてもらい続けてます。あっという間に撃沈。

10/13 福岡→熊本→広島
天候も回復。この日は吉田氏も出演するイベントなのでルロウズ号に同乗する予定だったものの、吉田氏の2日後に迫った引っ越し準備が終わってなさすぎて(傍目に引っ越し1ケ月前といった雰囲気でした)、とりあえず氏の機材だけ積んでいくことになりました。

おうどんへの欲求が止まらなかったため「ウエスト」でやさしいごはん。本当にありがとうございました。

東京の主要な交通網が運休しまくっている中、ぽかぽか陽気の九州道をひたすら南へ。【Art Blakey Fes 2019】と名付けられたそれは私たちからすると嫉妬すら覚えるラインナップで、毎年そのまま【MITOHO SESSIONS】と名乗りたいくらいの内容。旧NAVAROで1度、新NAVAROで2回目の出演ですが本当に毎度声掛けをしてもらって嬉しいです。

オープナーの小林どろりはボーカルのどろり氏が直前に辞めてバンド名が小林に。英国だったらザ・スミスのような感じ?そこからのvelocityutって流れもムチャクチャな感じで最高でした。個人的なハイライトはfurateの脱力感、田中事件氏のMC、ウサギバニーボーイのオーディエンス、円柱へのサウンドチェック、倉地久美夫氏の全て、ヨルズインザスカイの外音、ドイサイエンスの全て、ほかにもいっぱいありましたがとにかく刺激的でした。

途中furate金子氏と中抜けしてスリランカカレーでごはん。辛い物が苦手な彼に無理して食べさせる感じになってしまい汗だくにしてしまい申し訳ありませんでした。こんどビール奢ります。

ルロウズは前回Art Blakey Fes出演時にドイサイエンスとB2Bを大失敗した苦い記憶を払拭すべく(あれは誰のせいでもないとは今でも思ってるけど…)、自分たちの演奏をマックスで。「サウンドチェックを1秒もしない方がカッコいい」というPAに傍迷惑な、そしてお客さんにも別に通じない謎の美学で1音目が演奏開始みたいなのをやりましたが、終演後に倉地さんに「ギターの音ちょっとでかかったね!」とニコニコしながら言われたのでやはりきちんとサウンドチェックするに限るようです…!ともかく演奏自体はタイトでよいものが出来たのではと思っております。

主催の清田氏もドイ氏もツアーバンドのアーティストケアから最前での観戦から出演から諸々の段取りから縦横無尽の活躍をしていて、さらに12時間を超えるライブのサウンドを一手に担う(!)PA、そしてポジティブで貪欲なオーディエンス、素晴らしい出演陣、改めて本当に最高でした。私は昼夜合わせて足かけ18時間のイベントの主催を体調地獄状態でやってからフェス的イベントを卒業した気持ちでしたが、こうして美しい景色を見ると、そして参加してみると、改めて良いものだなあと思いました。2マン3マンのケミストリーとは違うものが確かにありますよね。

終演後はウサギバニーボーイ高宮夫妻と共に夜走りで広島へ行く事に。立ちっぱなしでさすがに疲れていたので車内BGMは雑でIQが冷点下のカラオケ的作品たちを爆音でかけて運転者と助手席を鼓舞しながら明け方に広島着。泥のように撃沈しました。

10/14 広島
呆然と起床したのは12時頃。今回のツアーは気温の感じが全く予想つかなかったのですが、昨日今日と暑い!7月の感じでジリジリとした外を歩いて近くにある「おどるうどん」でみんなでごはん。

この日の会場public bar rootzは会場の真ん中を柱がズドンと立っている面白い造り。barって名前ですがクラブに近い感覚かもしれません。この日はきちんとリハもあったのですがスピーカーの出力が大きさの割に小さめで久々に音作りに苦戦。この日は本当に本当にリハがあってよかった…!

昨日買った倉地さんの新譜をオープン後BGMにかけてもらうものの世界観が独特すぎてBGMに全く向かず。うすうす知ってたけど早く聴きたすぎたため…すいませんでした。唐辛子を使ったIPAで乾杯後すぐにイベントスタート。

kneeeeeeは懐かしい感じとフレッシュな感じの相まったエレクトロニカ。オープナーとして最高な出だしの感じで気持ち良かったです。speaker gain teardropもさすがの音響でうっとり。うっとり2組の後にルロウズだったのでメロウに行こうかなとも思いましたがウサギバニーボーイの超訳カバーを含む異質セット。ウサギチームとかfurate金子氏とか、連日共演したり見てくれる人がいるとがらっとセットを替えたくなる気持ちもあるのですが久しぶりの広島公演だったこともありマイナーチェンジにとどめました。

昔は演奏前にお酒を飲むのは結果ライブが良くても悪くても酒の所為にしちゃう気がしてやめてましたが、今は基本飲まないスタンスではありつつも、その日の気分や体調などで少し飲んだりしてます。チケット代を払ってもらってる対価としての演奏という意味では商品、とも言えますが、ライブではもっと有機的に、練習したやつの発表会、みたいなプラスチックなもののようにならない・見えない・聞こえないようにしたいし、思いつきや反射神経を怖がらず大胆に取り込んでいきたく思っております(当社比)。

ウサギバニーボーイは2日連続で見てるけど新しいギタリストのオーハシ氏が素晴らしい!今までウサギを見ていて思っていた、各々の単音フレーズがもっと混ざって濁って歪んで一丸となった感じで聞こえてほしいなあという感覚をレスポールのネトネトしたサウンドひとつでまとめていて、リズム隊とギターフレーズがよりぐっとまとまって聞こえて興奮しました。

終演後は会場で打ち上げ、今シーズン初めての鍋、魚介たくさんでダシもきちんととられている最高のやつ。上田氏は甲殻類全てNG,カニエウエストすら苦手なので個別にガパオライスを作ってもらってました。だからたぶんこの場所の思い出も別。
お酒もだんだん進んでfurate金子氏や高宮氏と珍しくエモーショナルな話になったりしつつ宴もたけなわでお開き。車を会場近くのパーキングに残してタクシーで高宮家に戻り撃沈。

翌15日はただひたすら関東に移動するのみのシュールな日。渋滞のせいで13時間くらいかかってしまいました。