20180516

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5/14 ロサンゼルス
犬に顔ペロペロされて起床。曇りがちながらもじきに快晴。山本氏が日本から送ってもらっている戸籍謄本、およびもうみんな忘れてるけど赤倉氏のギター一式が未だUSPSから届かない上にステータスを追跡しても税関突破しましたよ、てとこまでしか動いてなくて黒雲が2,3日で届くよ!と紹介されているEMS(ですが現地滞在員の方の話によると本当に大事なものはOCS>UPS,Fedex>USPSというインフラカーストがあるらしくて、つまり我々は徹頭徹尾USPSに踊らされている。

日本の総領事館はロスのダウンタウン、つまり今日のヴェニューから目と鼻の先の距離にあるのですが、パスポート紛失時急ぎの人用に発行される一時的な渡航証(パスポート再発行は1週間くらいかかっちゃう)は発行日含めて期限は2日、つまり帰国前日に手続きをしないとなりません。
5/14朝の時点であと足りない書類は戸籍謄本だけ。ちょっとして「5/15PM8:00までには届くよ!」ていうステータスに更新されたのですが総領事館は4時まで。そんな恐ろしい賭けは出来ないので、もし昼までに届かなかったら郵便局に直でgoするというプランになりました。どこまでも USPSの手のひらの上でコロコロされている。

上田氏を万が一書類が届いた時のため留守番要員にして、この日まずした行動はサンタモニカのギターセンターで買ったギターの返品。一通り使ったあとで返す最悪なタダ乗り野郎みたいな感じもありますが、実際のところちょっと日本に持って帰って一からメンテする、ていうレベルにすらない、まあ端的に言ってしまえば不良品で、買った日は諸々着いたばかりでアワアワしてたし交通事故あったしお前早く買いなさいよ的プレッシャーを各方面から感じていたため冷静な判断力がなくて気づかなかったのですがネックの捻れ。粗悪なブリッジ。USAっていってたのにメキシコ。裏通しのトレモロユニットのプラッチックカバーがユニットの穴とリンクしてなくて弦そのままだと張れない(現行のフェンダーってそんな感じなんですか?)。さらにいうと証明出来ないしそれはクレームつけないつもりだけど一緒に買った弦が1セット足りなかった。などなど失くしたヴァンザントの思い出との対比が辛すぎて強引な交渉も辞さず、の気持ちでレイクフォレストのギターセンターへ!
ところが実にアッサリと手続きしてくれて、尋問される事もなく、かといって謝られるでもなくスルッと任務完了。先日のレンタカーに続き超事務的!
ギターセンターとサムアッシュというのがアメリカの楽器店2大チェーンで友達のミュージシャンたちは高いしカッコよくないしあまり使わないよ、と言われたのですが、チェーン店の素晴らしさでワザワザ買ったサンタモニカまで行かずに最寄りの店舗で返品できる、しかも買ってから45日返品オッケー!というちゃんとしてる感。何にせよギターセンターが良くないとかではなくあの時応対した店員がダメ店員だっただけで、夜9時までやってるし、実に頼りになるお店です、よ!

ケースもキズ結構ついたしギターも少し打痕ついたりしててちょっと厳しいかなと思ってたのですが満額返品してくれて気持ちは絶好調(まあギターまだ見つかってないし買い直したエフェクター失くしましたが)、のところにさらに上田氏より戸籍謄本が届いた一報が。お日さまもガンガンに照りつけるようになってきて、興奮の絶頂のあまりグロッサリーに寄って食材を買って昼から手作りタコス祭りを決行することにしました。

トルティーヤもパクチーもサルサも鬼の大便みたいなサイズのソーセージも激安。直感で作った割には最高だったのはきっと味だけでなかったのだと思います。

荷物をまとめてこの日のヴェニュー、Coaxialへ。今まで便宜上ざっくばらんにロサンゼルスって言ってたけど本当のロサンゼルス中心部はこの辺ではないでしょうか?とはいえスキッドロウやコンプトン、サウスセントラルなど悪名高いエリアにも程近い、結構香ばしい地域。ツアーをしていて危ない地域ってのはだんだんわかってきて、要は臭い、暗い、ゴミが散らかってる、お店のガラスに厳重な鉄格子がついてる、アートというより落書きっていう感じの壁、絶対怪しい感じの人、とかまあ見ればわかるんですがどこか淀んだ空気、みたいなのもあると思います。それでいうとサンフランシスコで車上荒らしにあった時は本当にわからなかった。この日のヴェニュー周辺はダメな空気6割、良い空気4割の微妙な感じ。少し車を走らせるとすぐビジネス街になったりするのですが。本当に不思議な国。

さあいよいよ最終公演!サムをはじめMedia Jewelerチームとも再会し、また2公演でサポートしてくれたJerkagramのデリックやLA他ゾーンで共演した人たちも集結してくれて、月曜なのに満員。この日は満員なのも納得の圧倒的な内容で、トッパーのMedia Jewelerの流石な構築美はもちろん、その次に出たprissy whipはリミエキの爆発力とotoriのアイデア/ギターワークがハイブリッドされたハイテクなハードコアといった雰囲気で、サウンドもさることながらハンドマイクの超でかい女性のカリスマ感たるや!大きな人がめちゃくちゃ速いスピードで大きく動いてるとそれだけで凄い。最高でした。
またいちばんびっくりしたのはsimilar fashion!ドラム、ギター、サックス、バイオリンのカルテットが鳴らす音はダーティプロジェクターズ、ファウスト、アルバートアイラーとかを感じる祝福のメロディ、斬新なアイデア、抜群の、それでいて嫌味のないスキル、なによりも歌心。サックスとドラムのぽっちゃりおじさんたち2人とも歌がバキバキに上手くて、しかもチャーミングで、スーパープログレッシブな構造ながらポップにキャッチーに着陸していく感じ、押し付けがましさ一切ナシで音楽楽しいよね!て感じ、心の底からやられました。日本に帰ったらもらったCDすぐに楽曲分析します。ここ3年くらいでいちばん感動した音楽!来たことないって言ってたし何が何でもまた見たい!日本呼ぶ!

ルロウズも屈強な共演にあてられたのか今ツアー最高の演奏。最高の反応。ドラムセットは会場スペースの都合上Media Jewelerブライソンのもの、ギターはサムのものを借りて演奏したのですがサムのギターが弾きやすすぎて。この現場で私たちの音楽が通用していて、さらに興奮してくれている。終わりよければ全て良しとはよく言いますが実際全てが夢のようでした。

お客さんでフラッと来ていたAKRON/FAMILYのマイルズと知り合えたり、地続きでこういう夜がある感じがいかにも都会、いかにもロサンゼルス、て感じですごく感銘を受けた夜でした。


1時間くらいかけてオレンジカウンティに戻り満ち足りながら撃沈。興奮のまま書いた推敲ゼロの文章なので読みづらかったらすみません。